はじめに
電話やZoomなどを活用した「非対面営業」は、現代の営業スタイルとして広く利用されています。
しかし、なかでも電話勧誘販売に該当する手法には、クレジットカードの審査が厳しくなる傾向があります。
近年では、「Zoomを使ったオンライン面談も電話勧誘販売に該当するのか?」といった声も増えており、その区別と審査への影響について知っておくことは重要です。
本記事では、電話勧誘販売に対するカード審査の考え方と、オンライン営業との関係について解説します。
安心・適切な申し込みのために、ぜひご一読ください。
電話勧誘販売とは?──特定商取引法における定義
特定商取引法において、電話勧誘販売は次のように定義されています
事業者が消費者に電話をかけて、商品の販売やサービスの提供を勧誘し、そのまま契約の申込みを受ける取引形態。
つまり、電話中に勧誘を行い、そのまま契約に至る流れが該当します。
「テレアポ(アポイント取得のみ)」のように、後日の訪問やWeb申込につなげるだけのケースは基本的に該当しませんが、その場で申込意思を得た場合には法的に電話勧誘販売と見なされます。
クレジットカード審査が厳しくなる理由
- 消費者トラブルが起きやすい
電話での勧誘は、対面と比べて情報の伝達が不十分になりやすく、説明不足や誤解によるクーリングオフ・苦情が発生しやすい傾向があります。 - チャージバックが増えるリスク
カード決済後、顧客が「契約していない」「説明と違った」と異議を申し立てるケースでは、カード会社が返金処理(チャージバック)を行う必要があり、加盟店にとってもリスクになります。 - 本人確認があいまいになりやすい
非対面で短時間のやり取りとなるため、契約者本人であることや契約意思の明確な確認が難しくなるという懸念があります。
これらのリスクを踏まえ、カード会社や決済代行会社は電話勧誘販売に対して、通常よりも厳しい審査基準を設けていることが多くあります。
Zoomなどのオンライン面談も対象になる?
Zoomやその他オンライン通話ツールを使った営業活動も、状況によっては「電話勧誘販売」と同様の扱いを受けることがあります。
該当する可能性が高い例
オンライン営業が電話勧誘販売に該当する可能性が高いのは、以下のようなケースです。
- 事前に説明や同意がないままZoom面談を行い、その場で契約した場合
- 面談の中で具体的な契約条件の提示と申込への誘導が行われた場合
- 面談の対象者が法人ではなく、個人の消費者である場合
該当しにくい例
一方で、以下のような条件を満たす場合は、電話勧誘販売には該当しにくいと考えられます。
- 顧客が事前に案内された説明内容に同意し、自ら面談を予約・参加している場合
- 面談内では勧誘や契約の申込は行わず、契約手続きはWebサイトや書面などを通じて後で行う場合
- 契約相手が法人またはビジネス目的の個人である場合(=消費者に該当しない)
※なお、顧客が自発的に面談を予約していたとしても、面談中に勧誘と申込みが完了する場合は、実質的に「電話勧誘販売」と見なされる可能性があります。そのため、契約申込は面談後に別途行うなど、プロセスの明確な分離が望まれます。
電話勧誘販売に該当しないためのポイント
オンライン営業が電話勧誘販売に該当しないようにするには、以下のような工夫が重要です
- 契約の勧誘は面談外で行い、申込みは必ずWebフォームや書面で別途行う
- 面談実施前に内容・目的についての事前説明を行い、相手の同意を文面または記録で取得する
- 面談中にその場で契約を成立させない(面談後に別途手続きを行う)
- 勧誘・申込み・契約の各段階が明確に区切られている販売フローを整備する
まとめ
電話勧誘販売は、消費者を守るために法律でしっかり規制されており、電話勧誘販売を禁止行為と捉えているので、審査が厳しくなるのに加え、審査通過後であっても電話勧誘販売を行っている事が発覚した場合契約解除の要因になり得る事もございます。
また、Zoomなどのオンライン営業も、やり方によっては電話勧誘販売と見なされてしまう可能性があります。知らず知らずのうちにルールに引っかかってしまうケースもあるので注意が必要です。
これからますます増える非対面営業だからこそ、「これは大丈夫?」「このやり方はリスクがあるかも?」と立ち止まってチェックすることが大切です。
参考:消費者庁「特定商取引法の基礎知識」
詳しくは消費者庁の公式ページをご確認ください
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/